死ぬほど愛した人妻に死ぬほど憎まれる男のこれまでとこれからの話

クソ旦那の長年に渡る各種DVで心を壊された人妻を愛するも、クソ旦那にバレて強制終了。愛する女性を無くした悲しみから抜け出せず、現在訴状待ちのお人好し系男(独身)の話。

初デート

6月初旬、痛めた膝が限界を迎えたタケシは、人生初の外科手術の為、御茶ノ水にある大学病院に入院する事となりました。

半月板損傷及び靭帯損傷に対する内視鏡切除術みたいな感じで、手術前日に入院し検査でたらい回しからの絶食、右脚の毛を除毛してフラフラの状態で手術室に向かうも眼鏡を回収されヨチヨチ歩き、やっとの思いで手術室のベッドに辿り着き、背が高過ぎてベッドからはみ出している事を弄られているうちに麻酔で昏倒、目を覚ますと頭痛よりも、ガチガチに固定された右脚よりも、何故か常におしっこ漏れそうな違和感が何よりも強烈な記憶です。

全身麻酔だった為、尿道カテーテルとやらを仕掛けられていたのですが、こいつが曲者でその日は全く眠れず、看護師さんに懇願して夜中に外してもらった時、今まで一度も出した事のない声を漏らしました。

以降、排尿の度に激痛が走る状態で、ベッドサイドには尿瓶を備え付けられ、タケシはまた一つ恥を乗り越えたのでした。

ちなみに手術自体は大成功しており、翌日にはベッドから降り立つ事が出来る程に回復していました。

この日は確か土曜日だったか、K子が美容室終わりにお見舞いに来てくれました。

病院の食堂で昼食を食べ、病院内をちんたらお散歩したりして、病室に戻ると看護師さんが飛んで来て、「どこ行っていたんですか?無理しないで下さいよ〜!」とカーテンを開け、看護師さんとK子の目が合った瞬間に、バチっと音がした気がしましたが、まだ疲れていたので聞かなかった事にしました。

その後は手を握りながら、他愛もない話をしたりキスしたりして、K子は尿道傷だらけのタケシに「フェラしてあげようか?笑」と無茶を言いながら、「あんまり長居すると旦那に怪しまれるから」と帰って行きました。

その翌々日、退院して帰宅したタケシはいつも通りK子とLINEをしていると、突然K子がキレ出し、さらにその翌日、自宅療養中のタケシに仕事中のK子から謝罪のLINEが届きましたが、その理由は分からず、ただ自己嫌悪に陥るK子を放っておく事が出来ず、夕方客先に外出するK子と赤羽橋駅で待ち合わせをしました。

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タケシは昔から大好きな東京タワーを、K子と見たいという願いを密かに叶えつつ、前日の突然のヒステリーの事情をK子に問うてみると、前日洗濯の途中で寝落ちしていた所をクソ旦那に叱責された所、タケシがK子とのLINEの中で他の女の話(同僚女性との他愛もない話でしたが…)を出したから、頭に来てタケシに当たってしまったと言いました。

前述の通り、K子はフルタイムで働きながら家事育児もほぼワンオペで回している事を知っていましたから、クソ旦那の理不尽への不満を、あり得ない角度からタケシに打ち返して来たのかとすぐに理解はしましたが、あんまり訳の分からない感じでキレられても、本当にK子が何に苦しんでいるかとか、嫌な思いをしているとかが分からなければ、根本的な解決策を見つけられないじゃん?とやんわり諭し、辛い事、悲しい事、嫌な事があったら、怒りでぶつけるんじゃなくて、普通に話をして欲しい、甘えて良いからと伝えました。

その日は本当にありがとうと帰宅後にLINEが来ましたが、悲しいかな、結局タケシの提案がK子に消化され、活かされる事はありませんでした…

 

次回へ続きます。