死ぬほど愛した人妻に死ぬほど憎まれる男のこれまでとこれからの話

クソ旦那の長年に渡る各種DVで心を壊された人妻を愛するも、クソ旦那にバレて強制終了。愛する女性を無くした悲しみから抜け出せず、現在訴状待ちのお人好し系男(独身)の話。

プレゼント

K子を幸せにしたい、K子と幸せになりたい。

今冷静になって考えてみると、タケシのそんな気持ちは、タケシ自身が思う幸せをK子に押し付けようといただけに過ぎなかったのですが、世の中の不幸を全部背負ってます的な雰囲気を随所に醸し出すK子を、笑顔にしたい、喜ばせたい一心で、3ヶ月足らずの関係ではありましたが、心ばかりのプレゼントをしたりなどしました。

6月から営業見習いになる事が決まっていたK子、数字積み上げて給料上げたいという分かりやすいモチベーションではありましたが、以前からの本人の強い希望という事もあり、タケシは純粋にK子を応援していました。

ちなみに営業は、K子の希望が無ければ、経験値・スキル・適正からタケシに振られる予定のポジションでした。K子の仕事に協力はおろか、異常な束縛で足を引っ張るクソ旦那の存在は既に社内でも知れており、その言いなりになって当たり前、家で何かあれば仕事は投げるしかなく、おまけに感情の起伏が激しくその仕事にムラのあるK子の社内での評価は、お世辞にも少数精鋭とは言えない会社内でも決して高い訳では無かった事は、もはやK子が知る由もありませんが…

そうは言ってもK子の上司は確実に優秀で、その人に付いて学べば、K子自身の成長に繋がると思いましたし、仕事で自信を持つ事が出来れば、彼女にとって何かプラスに働いて、良い方向に変わるきっかけになるのではないかと思っていました。ミスは多くても、自力でリカバリーしようという責任感の強さは社内では貴重な力だと思いました。時として背負い込み過ぎて、立場や状況に適した判断が出来ない事もありましたが、裏で手を回してフォローする事も出来ていましたから、上から目線ですが、目先の小さな事よりも、K子自身が社会人としてステップアップして行く様子を見守りたいと思っていました。

もうすぐ営業としてK子の名刺が出来るとなった時、名刺入れをプレゼントしたいと伝えて、仕事終わりに伊勢丹に行き、ポップさが売りのロンドンのブランドで小洒落た名刺入れを選んで、翌朝会社に行く前に待ち合わせをしてK子に渡しました。

「本当に良いの?ありがとう!」

喜んで受け取ってくれた事が何よりも嬉しかったです。持ち慣れないから外出時に忘れる事も多かったのですが…

ただ、このプレゼントの件もばっちりLINEに残っていたから、きっと捨てられたか、捨てさせられたかしただろうけど…

ちなみに終わる数日前に、いい歳で人の親でありながらライトのない自転車を愛用し、その事に何の問題意識の無いK子の自転車にライトを付けてあげたりもしましたが、それもやはりきっと、捨てられたか、捨てさせられたかした事でしょう…

 

次回へ続きます。